ver.1

忘れもしません。

大学2年の4月12日。

半年以上の時間を費やして企画してきたイベントの成功を
祝して、先輩3人、同級生1人と部屋飲みをした。

これが自分史上最悪の飲み会になるとは、そのときは
思いもしなかった。


「四季の会」という飲み会サークルの代表を務める先輩に、
効率的な酔い方というやつを伝授された。
氷結21を一杯ガツンと飲んでから、コーラやオレンジジュースで
流し込む。これが意外といける。普段は飲めない同級生もガンガン
自分のキャパをすっかり忘れてしまったみたいにして、飲みまくる。

まず、イベント当日にVJ(いわゆるビジュアルジョッキー)
をやってくれた先輩が部屋から姿を消した。

酔いを醒ましに行ったに違いないと思って、そのときは気に留めずに
飲み続けた。この時点で冷静な判断力は失われていたらしい。

どんどん、どんどん酔いが回っていく。
ほとんどジュースだけを飲んでる感覚だから、危機感はない。

異変が訪れたのは、「四季の会」代表がトイレに立った瞬間。

トイレから出て来た彼は、なぜか全裸だった。
そこで、誰も突っ込もうとはしない。
むしろ、俺以外の二人も、自ら全裸に。

部屋に残された4人のうち、3人が全裸。
一般的な感覚では、おかしいのは全裸のやつら。
ところが、密閉された6畳一間の居室では、服を着ている
俺のほうがマイノリティーなわけで。
なぜか、「なんでオマエ全裸になんないの?おかしくない?」
というノリが生まれる。うざい笑
3人がかりで脱がせにかかるバカを必死に制する。
抵抗の甲斐あって、なんとか全裸は免れたが、標的を変更した
彼らは、なぜかAV鑑賞を始めた。

ところが、酔っているから起たない。らしい。

そこで、彼らが取った行動とは。

先輩二人が、ちん●を俺の顔に近づけ、
「ダブル●フェラ」を強要しようとする。

彼等曰く、「起たねーから、舐めて起たせてみろ」


全裸の男二人に迫られる恐怖。
泥酔状態のやつって何するか分からんから、ホント怖い。
体験してみ。


僕の記憶は、その時点で途切れている。
というか、全員の記憶がこの時点で失われている。
ヘンな磁場でも発生してたのか?

ともあれ、なんとか貞操は守った、はず笑

んで、翌朝、目が覚めた瞬間、僕の目に飛び込んできたのが
先輩のケツの穴。今まで生きてきて、一番寝起きの良かった
朝でしたね。はい。

もし、俺が生まれたてのひよこだったらマジ、ケツの穴
インプリンティングですよ。ぴよぴよ

さらに、この飲み会にはオチが。

飲み会を中座して部屋の外へ出ていったVJの先輩が、
同じマンションの全く見知らぬ人の部屋で発見されたのだ。

本人曰く、元の部屋に戻ったつもりが、泥酔していたため、
勝手に赤の他人の部屋にあがりこんで、
勝手にバスルームで嘔吐したあと、
勝手に冷蔵庫内の、ありとあらゆる飲料を飲み干し、
勝手にベッドに潜り込んで熟睡していたらしい。

たまたま、その部屋の住人が不在で、なおかつ部屋の鍵を
開け放していたがために起こったミラクルだった。

しかし、部屋の住人の立場になって考えると、部屋に帰るなり、
嘔吐物まみれのバスルーム、からっぽの冷蔵庫、乱れたベッドを
目にしたら、フツーに通報するだろ笑

日吉××ハイツの205号室の▲▲さん、
その節は大変ご迷惑をおかけしました。
ごめんなさい。通報しないでくれて、ありがとう。